やっと分かった。
「どうよ?無観客配信LIVEを3回した感想は」
無観客配信LIVEを3回やったバンドって意外と少ないねん、と前置きしてから訊かれて
「いや、ぶっちゃけこれと言って無いの、感想っぽい感想って」
と、答えた。
「活字でコメントが見えるから思ってた以上に寂しさを感じないし、むしろリアクションがダイレクトに伝わってくるなぁ」
とは、初めての配信LIVEのときに思った。
けど、2回目、3回目以降は「配信だからどうこう」っていう感想はなかった。
そう話したら「へ?」って顔された(笑)
けど自分でも感想がないのが不思議で、「なんで感想がないんやろ...?」ってずっと考えた。
考えて考えて考え切った結果、
「有観客であろうが無観客配信であろうがLIVEはLIVE」
っていう、アホみたいな結論に達した(笑)
「観る側」は当然カメラワーク越しの視点になるから、好きなメンバーだけを観たり、
例えばバンドマンなら「このベーシストはどんなエフェクターを使ってんだろ?」と、
足元を覗き込むことはできないわな。
あとライブハウスのフロアって最前ど真ん中と後ろの壁際では音の聞こえ方が全く違うから(最前ベッタリで聴くとほぼPAを通してないバンドの生の音が聴ける)、
そこも聴きたい音がよく聴こえる場所で聴けるわけじゃなく、やはりPA(音響)さんの調整次第になるし、
どちらにせよ「カメラワークとイコライジング、ミックスのさじ加減」を通してのLIVEになる。
けどそれをマイナスとして捉えてるバンドマン、多過ぎないか?
カメラがこっち向いてるとか向いてないとか関係ない。
ミスったらモロバレしちゃう、とか
関っ係ない。
そもそも完璧なカメラワーク、イコライジングを求めるなら、生じゃなくていいよ、
収録でいいやん、収録で。
収録...
それはそれで面白そう!(笑)
けどさ、例えばステージが広いライブハウスもあれば狭いライブハウスもあるし、
ステージが高いライブハウス、低いライブハウス、
フロアスピーカーに乗れそうなスペースがあるライブハウス(実際に乗ったら後で怒られる)、
色んな造りのライブハウスがあって、その中でどうすれば
観てる人が楽しくなるようなパフォーマンスをするか、どんな観せ方聴かせ方ができるだろうか、
と、リハ中はめっちゃ考える。
※ウチのベースも黙ってステージの天井を見てるときは「本番で思いっきりジャンプしたら頭打つな、これ」とか考えてる。
初めて行くライブハウスは、事前にフロア図とライブハウス内の画像とか調べまくる。
何ならそれまでにお客として観に行く。
だから配信LIVEも花道ステージやお立ち台と一緒で、カメラワークとイコライジング処理っていう「設備」をどう使うか、だけの話で。
大体Voの近くにいればいっぱい映れるし、「今からギターソロ弾きます!」って手を上げたらばっちり抜いてくれるし、
普段なら音圧でウヤムヤになりがちな細かいニュアンスなんてのも、
ヘッドホンやイヤホンで聴くと、ライブハウスで聴くより生々しいもん。
それに、
目の前にいないだけで届かなくなるようなモンなら、有観客であろうと届かないってば。
僕は有観客LIVEでも身体はステージ上やけどキモチはフロアにいるから、
それがカメラ越しになったところでキモチがカメラの向こうに行ってるから。
本気出したらスマホとかPC画面から貞子みたいに出ていけるから。
だから一緒、と思ったんです。
んで、自分がそうだから、そうゆう人とそうじゃない人のステージを見たら明確に分かる。
キモチがフロアで暴れまくってる人は何千人規模のLIVEでも1番後ろの人まで届く。
キモチがステージでムニャムニャしてる人は最前列にも届いてないよ。
※冒頭の人との話でこれを「メジャーレーベルのAVと素人投稿モノの違いと一緒や」と例えたら「あぁ、なるほど!」って言ってくれたけど、その後僕は「...ん?一緒か?」って思ったけどその人が妙に納得してたから放置した。
で、最近ずっとあった何か腑に落ちない感の理由がやっと分かったわ。
みんな「無観客配信」に良くも悪くも過剰反応しすぎ。
それ自体がどうこうじゃない。
それを使ってどうするかしないか、それを使わずにどうするかしないか、だけでよくないですか?
観てくれた人の
「楽しかったー!」
「観れて良かったー!」
って声を聞いたら全部解決するから。
「こんな時期やからライブハウスには行けないけど、配信LIVEしてほしいな、観たいな」
って思ってくれる人に対して
「俺、配信LIVEって嫌いなんよな〜、やっぱ生やで、生の音圧がないとLIVEじゃないよ、ROCKじゃないよ〜!」
なんて僕は言えない。